グランフロント大阪で「ティム・バートンの世界」展、開催中 

 「シザーハンズ」「チャーリーとチョコレート工場」などを手がけた映画界の鬼才「ティム・バートン」が幼い頃から描き続けてきたイラスト作品を公開する展覧会「ティム・バートンの世界」が、4月19日(日)まで、大阪梅田のグランフロント大阪・北館ナレッジキャピタルで開催中だ。


 可愛いけれど、ちょっと不気味、それでいてどこか温かみがある。映画の中で描かれるティム・バートンならではの独特の世界観は、彼が子供の頃からコミュニケーション手段のひとつとして日常的に描いてきた膨大なスケッチが源泉になっているという。


 本展では、テーマ、モチーフ、プロジェクト毎の10セクションに体系化し、スケッチ、デッサン、写真作品、オブジェ、手紙などこれまで一般に公開されていなかった150点を含む約500点を展示。

 旺盛な創造力のため、時間や場所を選ばず、常に何かを描いている彼は、ホテルのメモ用紙やレストランの紙ナプキン、スケッチブックにも、出会った人や訪れた場所を無意識のうちに捉えたイメージで描いている。

 「実現しなかったプロジェクト」セクションに展示された「無題(ドリーム・ファクトリー)」は、暗い独房に囚われたしがないアニメーターを描いた自画像。ディズニー・スタジオで働いていた頃、泉のように湧き出るアイデアをひとつも採用されなかったことへの強い苛立ちを表現しているという。しかし、このときの試練が創造力をさらに掻き立て、作品が否定されても迎合いない、彼独自のスタイルが確立される。

 

 他には、「シザーハンズ」の「エドワード・シザーハンズ」や、「アリス・イン・ワンダー・ランド」の「赤の女王」、「バットマン」、「チャーリーとチョコレート工場」の「ウンパルンパ」などお馴染みのキャラクターのイラストやフィギュアも必見だ。


 ティム・バートン展は、2009年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で初めて開催。約81万人が来場し、MoMA史上3番目の入場者数を記録した。 その後、ロサンゼルスやパリなど世界5都市を巡り、一昨年春には韓国ソウルでも大成功を収めた。

 そして、2014年3月、チェコのシティーギャラリープラハ「The Stone Bell」を皮切りに、「ティム・バートンの世界」として新たな展覧会がスタート。日本は2か国目の開催で、2014年11月1日~2015年1月4日、東京六本木の森アーツセンターギャラリーで開催した東京展には、65日間で約28万人が来場した。