靴下と下着のSPA「チュチュアンナ」が今秋、テレビCMスタート

 婦人靴下とインナーのSPA「チュチュアンナ」が、今秋よりテレビCMをスタートします。基幹ブランド「チュチュアンナ」で取り組むブランディング戦略の一環で、テレビなどマス媒体と自社ウェブサイト、SNSで情報発信し、店頭と有機的に連動することでブランドの認知度アップとファンづくりを図ります。

レディス靴下のSPA「チュチュアンナ」の2013年秋冬展示会
レディス靴下のSPA「チュチュアンナ」の2013年秋冬展示会

 同社が今年3月、15~59歳の女性2000人を対象に行ったアンケート調査によると、「チュチュアンナ」のブランドを知っていた人は全体の45%にとどまったそうです。購入していてもブランド名を知らない、あるいはブランドの情報が伝わっておらず、購入にも至っていないケースが半数以上に及ぶということです。そこでブランディング活動を本格化し、「認知度を来年春には60%以上に高めたい」と、マーケティング本部本部長兼事業戦略室室長の山田龍氏は話します。直営店の既存店売上高も前年比25%増を計画。今7月期は売上高が224億円、既存店売上高は同5%増の見通しなので、かなり高い目標といえます。

 

 チュチュアンナは創業以来、靴下を単なる実用アイテムではなく、女性を応援するためのファッションアイテムとして提案してきました。2001年には、靴下だけにとどまらず、インナーウェア市場にも参入。婦人靴下市場ではシェア10%を占めていますが、婦人インナーウェア市場ではわずか1%です。どちらの市場も競合が多様化し、ますます厳しくなっていますが、グローバル競争をにらみ、ここで国内シェアを拡大していきたいところです。

 

 そこでブランディングにあたっては、ブランド立ち上げ時から商品開発のDNAとして守り続けている「カワイイ」をキーワードに、ブランドイメージを再構築。「女の子の可愛くいたいという気持ちに寄り添ったビジネス」をさらに押し進め、「カワイイを、未来に。」という企業メッセージを大々的にアピールしていきます。

 

 具体的には、9月12日より全国エリアでテレビCMをスタート。パリのロフト風の部屋を舞台に、女の子の朝の身支度の様子を描いた内容で、今秋一押しのインナーウェアとタイツなどが登場します。CMキャラクターは現在、交渉中とか。テレビ放映の翌週には、JR東日本の女性専用車両で中吊り広告を展開するほか、ファッション雑誌、ウェブ広告などでも順次、広告宣伝を展開していきます。

 同時に、企業サイト、ブランドサイト、グローバルサイト、通販サイトの各ウェブサイトを全面的にリニューアルし、8月下旬をめどに新たに開設。全サイトでイメージを統一するほか、通販機能を大幅に改善して使いやすくすることで、新規顧客の取り込みを図ります。また、サイトの投稿欄やツイッターなどを活用し、顧客の声を商品開発にフィードバックしていきます。

 

 新しいブランドイメージと連動させるため、基幹店舗の改装にも着手します。8月6日に原宿竹下通り店、9月6日に渋谷スペイン坂店、9月7日には阪急梅田店がリニューアルオープン。「インナー事業を拡大していくため、靴下とは異なる売場環境を整え、接客サービスも強化する。また来店客数に応じた店舗オペレーションに変えていく」(山田氏)といいます。

 

 

 同社は1979年に会社設立。婦人靴下のヒット商品を次々と開発し、この6、7年は店舗数の増加と大型化に伴い、2ケタ成長を続けています。6月末時点の店舗数は直営店・フランチャイズ店合わせて206店舗。2001年にインナー事業に参入し、2008年には中国にも進出しました。

 

 靴下業界では、大手専業アパレルがパンストのテレビCMを放映することはよくありますが、低価格のレディスソックスを主力とするメーカーでは初の試みです。同社の上田利昭社長によると、売上げ規模がまだ小さかった時代に、ラジオCMで話題を集めたことがあるとか。今秋より本格スタートするブランディング活動は、新規客の獲得と企業イメージの向上のみならず、優秀な人材の確保にもつながります。また、これまで難航していた駅ビルなど好立地の商業施設への出店にも有利に働くと期待されます。

 

 今秋の靴下のトレンド情報はのちほどアップしますので乞うご期待ください。

2001年よりインナー市場にも参入
2001年よりインナー市場にも参入