SNOOPYと日本の匠がコラボ。16日まで梅田阪急で「世界で唯一のスヌーピー」展

 アメリカンポップカルチャーを代表するコミック「ピーナッツ」の人気キャラクター「スヌーピー」と、日本の伝統工芸作家とのコラボによるアート展「スヌーピー×日本の匠展」が、16日まで、阪急うめだ本店9階の阪急うめだギャラリーで開催されています。

 漆器やガラス切子、友禅染め、陶器など日本各地の伝統工芸士が製作した「世界で唯一のスヌーピー」を100点以上展示。4月に東京の松屋銀座で行なわれた同展には、約11万人が来場し、好評を博しました。

 

 このイベントを仕掛けたアーティスト、大谷芳照さんは、ピーナッツの原作者であるチャールズ・モンロー・シュルツ氏から高く才能を評価された人物。「YOSHI」と呼ばれるほど親交が深く、言葉や人種を越えた友情でつながっていたとか。米カリフォルニアのサンタローザ市にあるシュルツ・ミュージアムの建設プロジェクトにも参加し、製作した作品2点は永久展示されています。2005年には漢字と墨を使い、ピーナッツのキャラクターを表現した「ピーナッツ・ファウンド・イン・トランスレーション」を完成。シュルツミュージアムや相田みつを美術館などで展覧会を開催し、世界のスヌーピーファンから絶賛されました。

 

 その大谷さんが、シュルツ氏の精神を世界に発信するために5年越しで取り組んできたのが「スヌーピージャパネスク」です。「きっかけは輪島塗の椀木地職人との出会いでした。日本の匠の技とシュルツ氏のスピリッツは同じだと確信し、それらが合体すればどんなものに仕上がるかを夢みたのが始まり」と、大谷さんは語ります。

 そして輪島塗、九谷焼、津軽塗、三州鬼瓦など全国各地の伝統工芸職人40人以上と直接会って依頼。まず、作品の原型となる5ポーズの立体スヌーピーを制作し、それを基に各地の職人たちが匠の技を駆使して世界にふたつとないスヌーピーを作り上げていきました。

 

 例えば、石川県輪島市の大藤漆器店は、スヌーピーのシルエットをかたどった輪島塗の重箱を制作。スヌーピーのラインを忠実に再現した木地のうえに、漆などを何層にもわたって塗装していくのですが、通常のお椀などと違い、凹凸のある表面を均一の厚みに仕上げるのに苦労したといいます。他には、桜の蒔絵を施した輪島塗の「お座りスヌーピー」や、飛騨一位一刀彫の「人力車をひくスヌーピー」、三州鬼瓦のうえで「ねんねするスヌーピー」、全身に桜をあしらった有田焼の「走るスヌーピー」、真珠の帽子と蝶ネクタイを着けた「プロポーズするスヌーピー」など、観ているだけで楽しくなる愛らしいスヌーピーが展示されています。また、漢字にスヌーピーをあしらった墨絵アートや切り絵など大谷さんの作品も必見です。

 

 物販コーナーでは、スヌーピーをあしらった九谷フリーカップや和紙スヌーピー人形、五彩織バスタオル、ぬいぐるみなど展覧会限定のオリジナルグッズ約200アイテムも。新たなスヌーピーの魅力に触れられるのはもちろん、日本の匠の技が一堂に会したイベントなのでぜひおすすめです。

真珠のミキモトが製作した「プロボーズするスヌーピー」
真珠のミキモトが製作した「プロボーズするスヌーピー」
九谷焼の「耳を立てたスヌーピー」
九谷焼の「耳を立てたスヌーピー」
有田焼の「走るスヌーピー」
有田焼の「走るスヌーピー」
飛騨一位一刀彫の「クワガタとスヌーピー」
飛騨一位一刀彫の「クワガタとスヌーピー」
スヌーピー形の輪島塗重箱
スヌーピー形の輪島塗重箱
チャーリー・ブラウンとスヌーピーが描かれた金箔砂子
チャーリー・ブラウンとスヌーピーが描かれた金箔砂子
こま犬のような美濃焼のスヌーピー
こま犬のような美濃焼のスヌーピー
手描き友禅の柄にもスヌーピー
手描き友禅の柄にもスヌーピー
加賀友禅の人間国宝が描くスヌーピー
加賀友禅の人間国宝が描くスヌーピー
飾り金具でスヌーピーを表現した仙台箪笥
飾り金具でスヌーピーを表現した仙台箪笥
漢字にスヌーピーをあしらった大谷芳照さんの墨絵アート
漢字にスヌーピーをあしらった大谷芳照さんの墨絵アート
アーティストの大谷さんとスヌーピー
アーティストの大谷さんとスヌーピー

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